
最近「目が重い」「視界がかすむ」「目がしょぼしょぼする」と感じることはありませんか?
それは、単なる一時的な疲れではなく、慢性的な「疲れ目」かもしれません。
現代はパソコンやスマホを長時間使うことが当たり前になり、目を酷使する生活が続いています。その結果、年代を問わず「目の疲れ」に悩む人が急増しています。
しかし、多くの人が「疲れ目=目薬をさす」「休憩する」程度で済ませがち。
実は疲れ目には、目の周囲の筋肉(表情筋や眼球を動かす筋肉)が深く関わっているのです。
本コラムでは「疲れ目とは何か」「なぜ起こるのか」「どんな人がなりやすいのか」、そして「表情筋研究家の視点からできる具体的な対策」を解説していきます。
疲れ目とはどういう状態?
「疲れ目」とは、目の使いすぎや環境の影響によって、目の機能が一時的に低下し、不快感や重だるさ、視覚の不調を感じる状態のことを指します。
典型的な症状
- 目が重く感じる
- かすみやぼやけ
- 乾燥、充血
- 光がまぶしく感じる
- 頭痛や肩こりを伴うことも
医学的には「眼精疲労」と呼ばれることもありますが、日常的な表現として「疲れ目」という言葉の方がなじみ深いでしょう。
なぜ疲れ目になるのか?
疲れ目の大きな原因は、血行不良とまばたきの減少にあります。
1. 血行不良

目の周りには毛細血管が張り巡らされ、常に栄養や酸素を届けています。しかし長時間同じ姿勢で画面を凝視すると、血流が滞り、酸素不足や老廃物の蓄積が起こりやすくなります。これが「重い」「しょぼしょぼする」といった不快感につながります。
2. 瞬きの減少

通常、人は1分間に約15〜20回の瞬きをします。しかしパソコン作業やスマホに集中していると、この回数は半分以下に減ると言われています。瞬きが少なくなると、涙が均等に広がらず目が乾き、角膜に負担がかかります。その結果、目の疲れやドライアイが進行するのです。
3. 筋肉の緊張と酷使

目は「外眼筋」と呼ばれる6本の筋肉で動いています。近くを見続けることでこの筋肉が緊張し続け、柔軟に働けなくなると、ピント調節がうまくいかなくなり「疲れ目」を感じやすくなります。
疲れ目になりやすい人の特徴
疲れ目は決して特別な人だけが抱えるものではありません。目は繊細で酷使されやすい器官ですから、誰にでも起こりうる現象です。たとえ普段は健康的な生活を送っていても、過集中して長時間細かい作業を続けたり、休憩を取らずに画面を見続けたりすれば、あっという間に目は疲れてしまいます。
ただし、その中でも特に次のような生活習慣や体質を持つ人は、慢性的な疲れ目に悩まされやすい傾向があります。
1. 長時間のデジタル作業をする人

パソコンやスマホを長時間見続けると、瞬きの回数が極端に減ります。通常は1分間に15〜20回程度ある瞬きが、画面を凝視していると5〜6回にまで減ることもあります。瞬きが少なくなると角膜の表面に涙が均等に行き渡らず、目が乾きやすくなり、ドライアイやかすみ目の原因に。さらに、画面に集中することで眼球を動かす外眼筋も緊張し続け、ピントを合わせる力が低下して疲れ目を悪化させます。
2. 姿勢が悪い人

猫背や前傾姿勢で作業を続けると、首や肩の筋肉が硬くこわばり、血流が滞ります。首から肩を通る血管は目や脳に酸素や栄養を運ぶ通路でもあるため、ここが圧迫されると目の周囲への血流も悪化します。その結果、目に十分な酸素が届かず、「目が重い」「しょぼしょぼする」といった症状につながります。肩こりや頭痛と疲れ目がセットで起こるのは、この血流障害が背景にあるからです。
3. ストレスが多い人

精神的な緊張やストレスが続くと、自律神経のうち交感神経が優位になり、血管が収縮してしまいます。血流が悪化することで目に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなり、目のだるさやかすみを感じやすくなります。さらに、ストレスで表情がこわばると眼輪筋の動きも小さくなり、瞬きが浅くなるため疲れ目を助長します。気づかないうちに「心の緊張」が目の疲れに直結しているのです。
4. 加齢による変化

年齢を重ねると、涙の分泌量が減少し、角膜を潤す力が弱まります。同時に、眼輪筋や外眼筋の柔軟性も低下し、ピント調節力が衰えるため、若いころよりも目が疲れやすくなります。さらに、皮膚や粘膜の弾力が減ることで目の周囲の血流も滞りやすくなり、「疲れやすい」「回復に時間がかかる」という状態につながります。
5. 過集中して細かい作業をする人

読書、手芸、勉強、ゲームなど、画面以外でも「近くを見続ける作業」に熱中する人も疲れ目になりやすいタイプです。集中していると無意識に瞬きが減り、同じ方向に外眼筋を固定してしまうため、血流が滞りやすくなります。さらに「あと少し」「ここまでやろう」と休憩を後回しにしがちで、気づいたときには目が真っ赤になっている、という経験を持つ方も多いでしょう。
疲れ目改善のカギとなる「眼輪筋」と「外眼筋」


このように、疲れ目は誰にでも起こり得ますが、特に「長時間の画面作業」「悪い姿勢」「慢性的なストレス」「加齢による変化」「過集中で近くを見続ける習慣」がある人は注意が必要です。
そして注目すべきは、これらの背景の多くに「筋肉の使い方」が関わっているということです。瞬きの減少は眼輪筋の働きの低下につながり、ピント調節の乱れは外眼筋の緊張と直結します。つまり、疲れ目を根本から改善するためには、目の周囲を取り囲む眼輪筋と、眼球を自在に動かす外眼筋を正しく働かせることが欠かせません。
その中心にあるのが、目を取り囲み支えている筋肉です。とくに重要なのが眼輪筋(がんりんきん)と外眼筋(がいがんきん)。この二つの筋肉を正しく使えているかどうかが、目の疲れやすさを大きく左右します。
眼輪筋(がんりんきん)とは?

眼輪筋は、目のまわりをぐるりと取り囲むドーナツ状の筋肉です。大きく「眼窩部」「眼瞼部」「涙嚢部」に分けられ、強く目を閉じる動きから、まばたきのような繊細な動きまで担っています。
眼輪筋は単なる“目を閉じる筋肉”ではありません。
眼輪筋の役割
- 瞬きをすることで角膜を保護し、涙を均等に広げて乾燥を防ぐ
- 目のまわりの血流を促し、老廃物の排出を助ける
- 表情と連動して目元に柔らかさやハリをつくる
といった役割を担っています。
この筋肉が弱まると瞬きが浅くなり、目の表面が乾燥して「ドライアイ」や「しょぼしょぼ感」につながります。また、緊張して硬くなると血流が滞り、クマやむくみの原因になることも。疲れ目を予防・改善するには、しなやかに動ける眼輪筋を保つことが大切です。
外眼筋(がいがんきん)とは?

外眼筋は、眼球を支え、あらゆる方向に動かす6本の筋肉(上直筋・下直筋・内直筋・外直筋・上斜筋・下斜筋)の総称です。
これらが連動することで、私たちは上下左右、斜め、さらには滑らかに目を動かすことができます。
本来、外眼筋は絶えずバランスよく働いていますが、近くを長時間見続ける生活習慣によって、特に「内直筋」に負担がかかりやすくなります。
結果として:
- ピントが合いにくくなる
- 視界がかすむ
- 眼精疲労が蓄積する
といった不調が生じやすくなります。
外眼筋が硬直して柔軟性を失うと、まるで凝り固まった肩こりのように「動かしたい方向に動かしにくい」状態に。これが慢性的な疲れ目の大きな要因です。
なぜ筋肉へのアプローチが必要なのか?
目の疲れは「目薬でごまかす」「休めば回復する」と思われがちですが、実際には筋肉の働きが根本から弱っていることが多いのです。
結果として:
- 眼輪筋を鍛えて瞬きを深める → 潤いと血流が保たれる
- 外眼筋をしなやかに動かす → ピント調節がスムーズになる
この二つの筋肉を整えることで、単なる疲労回復にとどまらず、目元のハリや表情の若々しさまで変わっていきます。
「眼球プッシュ」で疲れ目をリフレッシュ
「目が重い」「しょぼしょぼする」と感じたときにおすすめなのが、簡単にできるリセット法 「眼球プッシュ」 です。
まずは手のひらで目の周囲をやさしく覆います。手の温かさで血行が促され、これだけでもじんわりと目が緩んでいきます。
- ① 手を軽く添える
- ① 目を軽く閉じ、まぶたの上に指先を軽く添えます。深呼吸をしながら、まぶた全体を温めながらリラックスさせます。

- ② ギュッと閉じる
- 手は添えたまま、まぶたの表面をギュッと閉じ、3秒キープします。(写真は手の下の表情です)

- ③ 脱力とキープ
- 手は添えたまま、まぶたの表面の力を抜き、眼球の後ろをつまむようなイメージで、目の奥をギュッと閉じ、3秒キープします。(写真は手の下の表情です)

- ④ 繰り返し
- ②〜③を交互に3回繰り返します。

- ⑤ 2〜4セット
- ①〜④を1セットとして、これを2〜4セット行います。
まぶたをギュッと閉じるときや、さらに目の奥を閉じるように意識するときには、皮膚に力を入れるのではなく、奥にある筋肉の存在を感じながら「表情筋を内側へ縮める」イメージを持つことが大切です。
こうして眼輪筋と外眼筋をしなやかに刺激すると、筋肉の緊張がほぐれ、血流が促されます。その結果、酸素や栄養が目全体に行き渡りやすくなり、目の奥からじんわりとリフレッシュされる感覚が得られるのです。
疲れ目のケアにおいて大切なのは、ただ「閉じる」という動作ではなく、表情筋の存在をまず感じること。その意識が、目の疲れを根本から解消する第一歩になります。
あなたの目は、日々の小さな意識で変わる

疲れ目は、特別な病気ではなく、日々の生活習慣や筋肉の使い方の積み重ねによって起こるものです。だからこそ「姿勢を正しくする」「瞬きを意識して増やす」といった小さな心がけを積み重ねていけば、少しずつ改善していけます。大きな努力や劇的な方法を必要とするのではなく、日常の中の小さな選択と意識が未来の目元をつくっていくのです。
そして何より大切なのは、表情筋を通して自分の顔や体にきちんと向き合うこと。私たちは忙しい日々の中で、つい目の疲れや小さな不調を見過ごしてしまいがちですが、「ちょっと疲れてるな」と感じたときこそ、体からの大切なサインを受け取るチャンスです。その声に耳を傾け、セルフケアを取り入れて自分を労わる時間を持つことで、目元はもちろん心全体もふっと緩んでいきます。

ほんの数秒のセルフケアでも、目はちゃんと応えてくれますよ
目元が楽になると、表情にも自然な明るさが生まれます。視界がクリアになるだけでなく、人に与える印象まで柔らかく変わっていくのです。小さなケアの積み重ねが「疲れ目を改善する」だけでなく「若々しくいきいきとした表情を取り戻す」ことにつながっていきます。
MYメソッドアカデミー

顔の学校「MYメソッドアカデミー」では、表情筋の正しい使い方や、日常に取り入れやすいケア法を丁寧にお伝えしています。グループレッスン・プライベートレッスン・オンラインレッスンなど、さまざまな形式をご用意しているので、ご自身のライフスタイルや目的に合わせて学ぶことができます。
疲れ目の改善は、自分を大切にする第一歩。今日から、自分に合ったスタイルで表情筋ケアを始めてみませんか?