間々田 佳子

「最近、顔が疲れて見える」「ファンデーションを塗っても透明感が出ない」——そんな悩みの背景にあるのが肌のくすみです。

年齢や体質のせいだと考える人も多いですが、実は肌のくすみは日常生活や習慣の影響を大きく受けます。そして、その改善にはスキンケアだけでなく、表情筋をどう使うかが深く関わっているのです。

本コラムでは「肌のくすみとは何か」「なぜ起こるのか」「どんな人がなりやすいのか」、そして「表情筋研究家の視点からできる具体的な対策」について詳しく解説します。

肌のくすみとは?

「肌のくすみ」とは、肌の透明感や明るさが失われ、顔全体がどんよりと暗く見える状態を指します。

肌のくすみ

  • 血色が悪く、青黒い・灰色っぽい
  • 乾燥で表面がごわつき、ツヤがない
  • 黄ぐすみや茶ぐすみで顔色が冴えない

といった症状が代表的です。

くすみは明確な医学的診断名ではなく、美容上の表現ですが、見た目の印象に大きな影響を与えます。健康的で明るい肌は若々しく生き生きと見えますが、くすんだ肌は疲労感や老化を連想させやすいのです。

なぜ肌はくすむのか?

肌のくすみには複数の要因が関わります。

1. 血行不良

最も大きな原因が血流の滞りです。顔の皮膚は毛細血管が豊富で、血液が酸素や栄養を届けることで明るく健康的に見えます。ところが血行が悪いと、青黒くどんよりとした印象になります。

2. 乾燥

肌が乾燥すると角質が厚くなり、光を乱反射して透明感を失います。さらに肌表面の凹凸が影を作り、暗く見えてしまいます。

3. 紫外線

紫外線によるメラニンの沈着は、茶色っぽい「茶ぐすみ」の大きな原因。日焼け止めを怠ると、徐々に透明感が失われていきます。

4. 糖化

体内で余分な糖とタンパク質が結びついてできる「AGEs(終末糖化産物)」は、肌を黄ぐすみさせる要因。甘いものや炭水化物の摂りすぎで進行します。

5. 酸化

紫外線やストレスによる活性酸素は、肌を酸化させ、透明感を失わせます。酸化はシミ・シワ・たるみにも直結します。

6. 表情筋の衰え

顔の筋肉が衰えると血流が滞り、老廃物が溜まりやすくなります。皮膚そのものの代謝も低下し、肌の色ツヤが失われるのです。

肌がくすみやすいのはどんな人?

肌のくすみは誰にでも起こり得ますが、特に次のような習慣を持つ人は注意が必要です。

肌がくすむ悪い習慣

  • スマホやPCを長時間使用する人 → 瞬きが減り、眼輪筋がこわばり血流が悪化
  • 姿勢が悪い人 → 首や肩が緊張し、顔への血流が低下
  • ストレスが多い人 → 自律神経の乱れで血管が収縮し、血行不良に
  • 睡眠不足の人 → 肌の再生サイクルが乱れ、ターンオーバー低下
  • 栄養バランスが崩れている人 → 鉄分やビタミン不足で血色が悪化
  • 表情が乏しい人 → 表情筋が動かないことで血流が停滞し、代謝も低下

つまり「生活習慣+筋肉の使い方」が、肌のくすみを大きく左右しているのです。

なぜ表情筋を動かすとくすみが改善するのか

肌のくすみには、ここまで解説してきたように血行不良や乾燥、紫外線、糖化や酸化など、複数の要因が関わっています。
もちろん、保湿ケアや紫外線対策といった外側からのアプローチも大切ですが、それだけでは改善しきれないケースも多くあります。実際に「しっかりスキンケアをしているのに、くすみが抜けない」と感じる方は少なくありません。

ここで注目したいのが、表情筋の働きです。
表情筋は、顔の皮膚と直結している珍しい筋肉群です。一般的な体の筋肉は骨から骨へとつながっていますが、表情筋は「皮筋」と呼ばれ、皮膚に直接ついています。そのため、表情筋が動くと皮膚も一緒に動き、血流や質感に即座に影響を与えるのです。

日常生活で表情が乏しかったり、スマホやPC作業で無表情の時間が続いたりすると、表情筋は固まりやすくなります。その結果、血流が滞り、老廃物が溜まって、肌がどんよりと暗く見える「くすみ」に直結してしまいます。逆に、表情筋を意識的に動かしてあげることで、顔全体が内側からリフレッシュされるのです。

表情筋を動かすメリット

血流促進

表情筋が収縮・弛緩を繰り返すことで、ポンプのように働き、毛細血管のすみずみまで酸素と栄養を届けます。血流が良くなると顔色は自然に明るくなり、透明感が戻ります。

老廃物排出

表情筋を動かすとリンパの流れもスムーズになり、老廃物が効率よく排出されます。これにより、むくみや滞りによるくすみが軽減されます。

ターンオーバーの正常化

血流が促進されると皮膚の代謝も高まり、ターンオーバーが整います。古い角質がスムーズにはがれ落ち、新しい皮膚が表面に現れることで、肌の明るさと滑らかさが蘇ります。

皮膚のハリ回復

表情筋の動きは真皮層に刺激を与え、線維芽細胞を活性化させます。これがコラーゲンやエラスチンの産生を助け、肌にハリと弾力を取り戻します。結果として、くすみだけでなく、たるみや小ジワの予防にもつながります。

特に「口輪筋」や「眼輪筋」といった中心的な表情筋をバランスよく使うことは、くすみ改善に直結します。口輪筋を動かせば口元から血流が巡り、顔全体の血色が良くなります。眼輪筋を鍛えれば目元の血流が改善され、表情全体がぱっと明るくなるのです。

つまり、肌のくすみ改善は「スキンケアで与える」だけでなく、「表情筋を動かすことで内側から巡らせる」ことによって、より根本的に解決できるのです。

「フェイスシェイク」で顔のくすみをリセット

顔のくすみを改善する方法はいくつもありますが、ここでは初心者でも取り入れやすく、即効性を実感しやすいトレーニングをご紹介します。

フェイスシェイクのやり方

① 閉じる
鼻から息を吸い、吐きながら、目と口をそれぞれキュッと閉じます。
②開く
目と口をパッと開きます。
③ 繰り返し
①〜②を3回1セットとして、3〜5セット行います。

「フェイスシェイク」は、顔にある3つのドーナツ状の筋肉——左右の眼輪筋と口輪筋——をしっかり「閉じる」と「開く」を繰り返して動かすことで、血流を促し、肌のターンオーバーを助けるトレーニングです。

多くの方は「ぎゅっと閉じる」動きに意識が向きがちですが、このトレーニングで本当に大切なのは「開く」動作。目尻や眉間、口周りにシワが残らないよう、力まかせではなく、じんわりと広げるように意識してください。開くたびに血流がめぐり、肌がふっと明るくなる感覚を味わえるはずです。

肌の明るさは、自分の力で取り戻せる

「肌のくすみ」という言葉を聞くと、多くの方が「もう年齢のせいだから仕方ない」「高価な化粧品や美容医療に頼るしかない」と思ってしまいがちです。確かにスキンケアや紫外線対策は大切ですし、美容医療が役立つ場面もあります。しかし、ここまでお伝えしてきたように、くすみの原因は血行不良や乾燥、生活習慣の乱れ、そして表情筋の衰えなど、日常のなかで少しずつ積み重なるものが大きいのです。

つまり、くすみは「外側から与えるケア」だけでは十分に解決できないことも多く、内側から血流を巡らせる力がとても重要になります。

そこで大きな役割を果たすのが、顔に張り巡らされた表情筋です。表情筋は皮膚と直結している特殊な筋肉群であり、動かすことで毛細血管まで血液や酸素を届け、老廃物を排出し、ターンオーバーを整える役割を果たします。たった数分のトレーニングでも顔がポカポカして血色が良くなるのを実感できるのは、この仕組みがあるからです。

表情筋は何歳からでも鍛えることができ、正しく動かすほどに必ず応えてくれる筋肉です。「肌の明るさを取り戻すのに、こんなに自分の力が使えるなんて意外!」と感じる方も多いでしょう。小さな積み重ねでも続けていけば、肌の血流は改善し、透明感やツヤが蘇ってきます。

肌のくすみは、“動かさないこと”から始まります!

そして何より、セルフケアの大切なポイントは「自分の体に意識を向けること」です。表情筋を動かす時間は、単なるトレーニングにとどまらず、「今の自分を大事にする」ためのひとときでもあります。忙しい日々の中でほんの数分でも顔のケアを取り入れることが、心と体のリフレッシュにもつながるのです。

肌のくすみは、思っている以上に自分の力で改善できるものです。表情筋を動かし、血流を巡らせることで、肌は必ず応えてくれます。外側から与えるケアと内側からのトレーニングを組み合わせれば、肌の明るさや透明感は取り戻せるのです。

「もう仕方ない」と思っていた方も、まずは一度、顔を大きく動かしてみてください。小さな一歩が大きな変化につながることを、きっと実感できるはずです。

MYメソッドアカデミー

顔の学校「MYメソッドアカデミー」では、こうした表情筋の正しい使い方や、肌の透明感を引き出すためのトレーニングを、初心者の方でもわかりやすく丁寧にお伝えしています。

自分の表情筋を味方につけて、肌も気持ちも明るく整えていきましょう。

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