間々田 佳子

写真を撮ったときに「なんだか自分だけ浮いて見える」「笑顔がぎこちない」「鏡で見る自分と違う」と感じたことはありませんか?
それは決して“生まれつき写真写りが悪い顔”だからではありません。

実は、「写真写りが悪い」と感じる多くの人に共通しているのは——顔の筋肉、つまり表情筋がうまく動いていないということ。

表情筋は体の筋肉と同じ「運動器官」です。

日常的に動かしていなければ、いざという時に思い通りに動いてくれません。
まるで、長い間走っていなかった人が、いきなり全速力で走ろうとしてもうまく走れないようなものです。

笑顔も同じです。
“笑ってください”と急に言われて自然な笑顔が出ないのは、顔の筋肉が運動不足の状態だから。
そして、写真写りに自信が持てないと、「ちゃんと笑わなきゃ」と意識しすぎて、余計に不自然な表情になってしまう……。
そんな悪循環に陥ってしまう方も少なくありません。

けれど安心してください。
表情筋は年齢に関係なく、トレーニングによって必ず育て直せる筋肉です。
この記事では、表情筋研究家の立場から「写真写りが悪くなる原因」と「写真写りをよくするための顔トレーニング」について、実践的に解説していきます。

なぜ写真写りが悪くなるのか?

1. 表情筋の「瞬発力」と「継続力」が落ちているから

人の顔には左右合わせて約50の筋肉があり、笑顔を作るときには、口角を上げる口角挙筋(こうかくきょきん)や、頬を引き上げる大頬骨筋(だいきょうこつきん)など、複数の筋肉が同時に働いています。

写真写りを良くするためには、一瞬でパッと表情を作る「瞬発力」と、その表情を自然にキープする「継続力」が欠かせません。
ところが、無表情の時間が長い人やマスク生活が続いた人は、顔の筋肉が“おさぼり状態”になっていることが多く、この瞬発力と継続力の両方が低下しています。

その状態でカメラを向けられても、「笑顔を作ろう」と思っても筋肉が反応せず、笑顔が引きつったり、口角が片方だけ下がったりしてしまうのです。

つまり、“顔を動かす準備ができていない”ことが原因なのです。

2. 顔の「バランス崩れ」

写真写りが悪い人の多くは、顔の左右バランスが乱れています。
頬の高さが違ったり、目の開き方が違ったり。

これも表情筋の使い方の偏りによって起こります。
たとえば、片側だけで噛む癖がある人は、そちら側の咬筋(こうきん)が発達し、反対側が弱まります。
その結果、笑顔を作ったときに左右の口角が同じ高さに上がらず、顔が“傾いて見える”のです。

3. 緊張と硬直で「止まった顔」になる

カメラを向けられると途端に硬直する人がいます。
これは、表情筋とメンタルが深くつながっていることの証拠です。

人は緊張すると、交感神経が優位になり、体が「戦うモード」に入ります。
その時、顔の筋肉もギュッと強張り、自然な動きが失われるのです。
口角が引きつり、眉間やあごに力が入る。
すると写真の中の顔は「怖い」「疲れている」印象になってしまいます。

4. 姿勢や頭の位置の影響

写真写りにおいて、姿勢と頭の位置は非常に重要です。
猫背で頭が前に出ていると、フェイスラインがたるんで見えたり、あご下の影が濃くなったりします。
また、目線が下がることでまぶたが重く見え、表情が暗くなりがちです。

顔だけでなく、体全体のポジションを整えることが「映える顔」をつくる基本になります。

5.自己イメージとのギャップ

写真写りが悪いと感じる理由の中で、意外と多いのがこの「自己イメージとのギャップ」です。
鏡の中の自分は、常に表情を微調整しながら“理想の角度”で見ています。
一方、写真は一瞬の“無意識の顔”を切り取るため、思っていた表情と違って見えるのです。

特に表情筋が動かない状態だと、写真では顔がこわばり、実際よりも疲れて見えやすくなります。
でも、それは「悪い映り」ではなく、表情の動きがまだ小さいだけ。
日常の中で表情筋をしっかり動かし、感情と表情を一致させていくことで、鏡の中の自分と写真の中の自分が少しずつ重なっていきます。

「写真写りが悪い」悪循環を断ち切るために

写真を撮るとき、 「きれいに写らなきゃ」「変な顔になったらどうしよう」ーーそんな意識が働くと、表情筋は途端に動かなくなります。

緊張状態では、顔の中でも特にあご周りや口角の筋肉がこわばります。
そうすると、口角が上がりにくくなり、「への字口」になりがち。
頬も引き上がらないため、笑顔の立体感がなくなります。

実際、写真写りを改善するうえで最も大切なのは、顔のコントロール感覚を取り戻すこと。
「口角をこのくらい上げよう」「目をここまで開こう」と、筋肉を自分の意思で動かせるようになると、どんな瞬間でも自分の表情を自在に操れるようになります。

その結果、写真を撮られること自体が怖くなくなり、むしろ「写ることが楽しい」と感じられるようになります。

トレーニングとは、単なる筋肉強化ではなく、自分の顔に対する信頼を取り戻す作業なのです。

笑顔もトレーニングが必要

「写真を撮る時だけうまく笑えばいい」と思っていませんか?
実はそれでは間に合いません。

表情筋も、日常的に動かしていないと“固まって”しまいます。筋肉が固いと、表情の可動域が狭まり、笑顔を作っても動きが浅くなります。それはまるで、ストレッチをせずにいきなり全力疾走するようなもの。

顔の筋肉にも、ウォーミングアップと瞬発力の両方が必要なのです。理想的な笑顔とは、「作ろう」と意識せずに自然に出てくる笑顔。
そのためには、筋肉が自動的に反応するように鍛えられている必要があります。

スポーツ選手が無意識に反応できるのは、繰り返しのトレーニングによって筋肉と神経の連携が強化されているから。表情も同じです。

顔の筋肉と脳の神経のつながりを日頃から鍛えておくことで、 「笑おう」と思った瞬間に、自然な笑顔がスッと出てくるようになります。

笑顔の瞬発力と持久力を鍛える「口角舌筋ストレッチ」

写真の一瞬で自然に笑うためには、「笑顔の初動」をスムーズに起こすことが大切です。
その鍵を握るのが、笑顔を形づくる主役筋――口角挙筋(こうかくきょきん)です。

口角挙筋は、口角の両端から頬骨に向かって斜め上に走る細長い筋肉で、口角をキュッと上方向に引き上げる働きを担っています。
この筋肉がしっかり機能していると、笑顔は自然に「縦方向」に開き、頬の位置が高く若々しい印象になります。
一方で、口角挙筋が弱っていると、笑おうとしても横に広がるだけの“引きつった笑顔”になりやすく、写真の中でぎこちなく見えてしまうのです。

そんな口角挙筋をスムーズに働かせるために有効なのが、「口角舌筋ストレッチ」。
このトレーニングでは、口角を縦に持ち上げる力を育てながら、あご下や咬筋(こうきん)の余分な緊張を取り除きます。
顔の下半分に溜まりがちな力をリセットし、頬を軽やかに引き上げることで、表情全体の動きが自然で柔らかくなっていきます。

口角舌筋ストレッチ

① 舌筋を前に出す
口を緩めたまま、舌筋を前に突き出します。
② 口角を上げる
口角を上げ、上の歯を8本見せ、5秒キープします。
③ 繰り返す
①〜②を1セットとして、これを3〜5セット行います。

鏡を見ながら練習してみましょう。
上の歯が8本見えるまで、口角をしっかりと引き上げます。
ただし、下の歯は見えないように。
口の形が逆三角形になるよう意識してみてください。

うまく口角が上がらないときは、指で口角を軽く支えてサポートしてOK。
正しい方向に筋肉を導くことで、動きの感覚がつかみやすくなります。

最初は難しく感じるかもしれませんが、続けるうちに必ず筋肉が反応しやすくなり、瞬発力と持続力が養われていきます。
毎日少しずつ練習して、自分の笑顔の筋肉を目覚めさせていきましょう。

表情筋を鍛えると写真写りが変わる理由

  1. 光の当たり方が変わる
    頬が引き上がり、フェイスラインが整うことで、光が自然に反射し、顔全体が明るく見えます。
  2. 血流が改善され、肌ツヤがアップ
    表情筋の運動によって血流やリンパの流れが促進され、くすみが取れ、ハリが戻ります。
    写真写りが悪く見えやすい要因のひとつである“肌のくすみ”にも効果的です。
  3. 自信が顔に現れる
    筋肉を意識的に動かす習慣がつくと、「自分で表情を作れる」という実感が芽生えます。
    この“内側の自信”こそが、写真に映る時の最大の武器です。

これらはもちろん、笑顔だけに限った話ではありません。

写真写りは、キメ顔やナチュラルな表情など、あらゆる表情に共通します。どんな表情でも魅力的に見せるために大切なのは、表情筋を日頃からしなやかに動かしておくこと。
筋肉が柔軟に反応できる顔は、どんな角度、どんな瞬間でも“自分らしい表情”を引き出せるのです。

写真写りは“才能”ではなく“筋肉習慣”

自然な表情に“練習”なんて要らないのでは?――そう思うかもしれません。
けれど、それは大きな誤解です。
私たちの顔も体と同じで、使わなければ筋肉が衰えます。
表情筋がこわばったままだと、「笑っているつもりなのに笑えていない」「明るい気持ちなのに表情が暗い」など、気持ちと表情の間にズレが生まれてしまいます。
その小さなズレが積み重なると、印象のギャップやコミュニケーションのすれ違い、さらには自己肯定感の低下にもつながっていくのです。

そもそも「素敵な笑顔」や「自分らしい写真写りの良い表情」とは、何でしょうか。
多くの人は、その“表情のレシピ”を持っていません。
どう動かせばいいかわからないまま不安になり、カメラの前で緊張して表情が硬くなってしまうのです。
けれど、表情筋のどこをどう動かせばいいのかがわかってくると、少しずつ自分だけの笑顔のレシピができあがります。
それが自信となり、写真写りの良さにもつながっていきます。

笑顔も“筋トレの成果”なんですよ!

笑顔もスポーツや楽器の演奏と同じで、練習で磨かれるものです。
写真写りが苦手なら、まずは鏡を見て自分の表情を観察すること、そして写真を撮ることを習慣にしてみましょう。
鏡を見ながら口角を上げる練習をすると、どの筋肉が動いているかを実感できます。
定期的に写真を撮ることで、表情の変化に気づき、少しずつ“自分の顔への信頼感”が育っていくのです。

最初から写真写りが良い人なんて、ほとんどいません。
彼女たちは、表情の使い方を理解し、何度も練習を重ねて“筋肉の記憶”として定着させているのです。
写真写りの良さは、センスではなく習慣の結果。
顔を動かすほど、笑顔はあなたらしく、自由になります。
今日から少しずつ、鏡の前で“自分の笑顔づくり”を始めてみましょう。

MYメソッドアカデミー

顔の学校「MYメソッドアカデミー」では、写真写りに悩む方にぴったりの表情筋トレーニングを多数ご用意しています。

笑顔がうまく作れない、表情が固い、左右差が気になる——そんな悩みに合わせて、表情筋の使い方を一人ひとりに合わせて丁寧に指導。

自分の顔を理解し、自然な笑顔を引き出す力を育てていきます。

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