間々田 佳子

朝、鏡を見た瞬間に「なんでこんな顔なんだろう」と落ち込んでしまう。
写真に写った自分の顔を見て「これが本当に私?」とショックを受ける。
そんな経験、ありませんか?

「自分の顔が嫌い」と感じる人は、実はとても多いのです。
SNSやメディアで“美しい顔”が毎日のように流れてくる今の時代、無意識のうちに「比較」と「劣等感」にとらわれてしまうのは自然なことです。

でも、表情筋研究家として多くの人の顔と向き合ってきた私から言えるのは、「顔は自力で変えられる」ということ。
そしてその変化は、外見だけでなく、心のあり方までも明るく変えていくということです。

自分の顔が嫌いだと感じる人は意外と多い

私のもとには、年齢も職業もさまざまな方が「自分の顔が嫌いなんです」と相談に来られます。
特に40代以降の女性では、加齢による変化が重なり、「昔と違う」「鏡を見るのがつらい」という声が多く聞かれます。

一方で、20代・30代の若い方の中にも、「写真に写る自分が好きになれない」「他人と比べて落ち込む」といった悩みを抱える人が少なくありません。

こうした“自分の顔が嫌い”という感情の根っこには、実は共通する心理的・身体的な要因があるのです。

自分の顔が嫌いだと思う理由①:「比較」から生まれる劣等感

私たちは毎日、無数の“顔”を目にしています。
SNSを開けば、加工された美しい顔。
テレビをつければ、整った顔立ちの人たち。

そんな中で、自分の顔だけが“劣っているように見える”のは当然のことです。

でも実際のところ、他人の顔を見ている時間と、自分の顔を客観的に見る時間の差はとても大きい。
他人は常に“完成された一瞬”で映り、自分は“動きの中の生々しい現実”を見てしまう。
つまり、条件が全く違うのです。

まず知っておいてほしいのは、あなたの顔を嫌いになるのは、あなたのせいではないということ。
比較の中で自己評価が歪んでしまうのは、現代社会ではむしろ自然な反応なのです。

自分の顔が嫌いだと思う理由②:顔の“使い方”の癖

顔には、左右合わせて約50の筋肉=表情筋があります。
これらは、喜怒哀楽などの感情を表すだけでなく、顔の形・印象そのものをつくる“土台”でもあります。

けれど、ほとんどの人はその筋肉を「無意識」で使っています。
知らないうちに、

  • 口角を下げる癖
  • 眉間を寄せる癖
  • ・片側だけで噛む癖

などが身についてしまい、その“顔の使い方”が表情や輪郭を変えていくのです。

実は、シワやたるみもこうした「顔の使い方の癖」が深く関係しています。
多くの人は「加齢のせい」と思いがちですが、実際には、筋肉の使い方の偏りや姿勢の癖が原因になっているケースが多いのです。

たとえば、若い人でも“スマホ首”の状態が続くと、首の前側が常に縮こまり、皮膚に横ジワが入りやすくなります。
同じように、片方の頬だけで噛む癖がある人は、片側の咬筋(こうきん)が発達してエラ張りのように見えたり、 口角が片方だけ下がって顔全体が歪んで見えたりすることもあります。

つまり、顔に現れる「老け見え」や「疲れ見え」は、年齢よりも“日常の使い方”の積み重ねによるもの。
無意識の動きこそが、あなたの“顔つき”をつくっているのです。

自分の顔が嫌いだと思う理由③:心の状態が顔に現れる

人は、心の状態をそのまま顔に映し出します。悲しいとき、悔しいとき、怒っているとき――その感情を抑えたつもりでも、顔の筋肉には“記憶”として残ります。

たとえば、ストレスが続くと、眉間の皺眉筋(しゅうびきん)が常に緊張し、無意識に「険しい顔」を作ってしまいます。
あるいは、笑う機会が減ると口角挙筋や頬筋が衰え、口角が下がったまま固定されてしまう。

つまり、「自分の顔が嫌い」と思う気持ちは、今までの心の使い方の履歴を自分で見ているようなものなのです。

自分の顔が嫌いだと感じたときにやってほしいこと:鏡を“観察の道具”にする

「自分の顔が嫌い」と感じたとき、多くの人は鏡を見るのを避けようとします。
けれど、それは逆効果です。

鏡を“敵”ではなく“観察の道具”として使ってみましょう。

ただ眺めるのではなく、
「どんなときにどんな表情をしているのか?」
「どの部分が動いていないか?」
「笑ったとき、どの筋肉が上がっているか?」
を観察してみてください。

そこには必ず、“今の顔”を作っている理由があります。

表情筋研究家として多くの顔を見てきて感じるのは、鏡を避ける人ほど、自分の顔の“本当の特徴”を知らないということ。
それが、改善のチャンスを遠ざけてしまうのです。

顔は「生まれつき」や「遺伝」だけでは決まらない

「骨格がこうだから」「両親がこういう顔だから」と 顔をあきらめてしまう人は少なくありません。

しかし実際には、顔の印象を大きく左右しているのは、筋肉の状態・使い方・姿勢です。

たとえば、頬が下がるのは“骨格”ではなく、大頬骨筋や小頬骨筋が使われなくなっているから。
口角が上がらないのは、口角挙筋の働きが弱いから。
フェイスラインがぼやけるのは、広頚筋や胸鎖乳突筋が固まっているから。

つまり、あなたが“嫌い”だと思っているその顔は、生まれつきの顔ではなく、習慣で作られた顔なのです。
そして、その習慣は変えることができます。

トレーニングで顔は確実に変わる

顔の筋肉は「随意筋」――つまり、自分の意思で動かせる筋肉です。腕や脚の筋肉と同じように、使えば鍛えられるし、使わなければ衰える。表情筋を正しく動かすことで、顔の印象はみるみる変わっていきます。

ただし、重要なのは「気になる部分だけ動かす」のではなく、顔全体のバランスで整えていくこと。

たとえば、ほうれい線を消したいからといって頬だけを持ち上げるようにトレーニングすると、かえって不自然な力みが生まれてしまいます。

顔はひとつの「チーム」。
どこか一部分を動かすと、他の部分も必ず連動して動きます。
だからこそ、「顔全体を整える」という意識が大切なのです。

さらに言えば、顔と体は繋がっています。

姿勢や呼吸、体の使い方のクセが顔の筋肉にも大きな影響を与えます。

猫背で首が前に出る姿勢はフェイスラインをたるませ、肩や胸の緊張は口角の上がりづらさを招くこともあります。

つまり、顔を変えたいなら“顔だけ”ではなく、“体ごと顔を整えていく”意識が欠かせないのです。

“嫌いな顔”を“好きな顔”に変える5つのステップ

1. 鏡を見る勇気を持つ
まずは、現実の自分の顔を直視することから。
避けていた鏡を見る時間を、観察の時間に変えましょう。
2. どこが嫌いなのかを言葉にする
 「なんとなく嫌い」ではなく、
 「口角が下がって見える」「目の下が疲れている」など、
 具体的に言葉にすることで、原因が見えてきます。
3. 筋肉の仕組みを知る
気になる部分に関わる表情筋を理解することで、“改善できるもの”とわかり、前向きな気持ちになれます。
4. トレーニングで正しい動きを覚える
適切な顔の動かし方を身につけることで、癖がリセットできます。
5. 継続する
顔の筋肉も、体と同じ。
 1日1分でも続けることで、確実に“顔つき”は変化します。

「ウーニートレ」で印象力アップ

おすすめのトレーニング方法はお悩みによってさまざまですが、今回は手軽に取り組めて顔の印象が変わりやすいトレーニングとして、 「ウーニートレ」をご紹介します。

意識する筋肉は、頬筋(きょうきん)と大頬骨筋(だいきょうこつきん)。

頬筋とは?

大頬骨筋とは?

頬筋は、口の横から頬の中央にかけて広がる筋肉で、笑ったときに頬を持ち上げる働きがあります。
この筋肉がしっかり動くと、口角が自然に上がり、明るく引き締まった印象になります。

大頬骨筋は、頬骨のあたりから口角に向かって伸びる筋肉で、 いわば「笑顔の支柱」ともいえる存在。
この筋肉が弱まると、頬が下がり、たるみや口角の下がりにつながります。

この二つの筋肉を意識して使うことで、頬が内側からリフトアップし、若々しく健やかな印象に導かれます。
また、頬がスムーズに上がりやすくなることで、笑顔を作る瞬発力も高まります。

「ウーニートレ」で頬の筋肉を育てよう

① 口をすぼめる
口を「う」の形にすぼめます。
② にっこり
上の歯が8本見えるように口を「に」 の形にして、にっこり微笑みます。
③ 繰り返し
①〜②を、10回繰り返します。
④ セットを繰り返す
③を1セットとして、これを2〜4セット行います。

唇を「う」の形にする際、口先だけで窄めるのではなく、頬(頬筋)を使って口角を寄せる感覚を大切に。 これがたるみ防止のポイントになります。

「に」の口で微笑む際は、上の歯が8本見えているか、口角の左右バランスが合っているか、鏡でチェックしてみましょう。

こまめに鏡で確認しながら行うことで、「表情筋をコントロールする」感覚が身につき、
理想の顔に一歩ずつ近づいていきます。

自分の顔を好きになるということ

意外なことに、私たちが思っているほど、他人は私たちの顔を細かく見ていません。
けれど、「気にしすぎないようにしよう」と自分の気持ちを押さえ込むのも、どこか違いますよね。

顔は“自分という存在の看板”のようなもの。
他の誰でもなく、自分自身がその看板を好きでいられるかどうかが大切です。
もし自分の顔を「悪くないな」「ちょっと好きかも」と思えるようになれば、その看板を堂々と掲げて、前向きに歩き出せるようになります。

そのための方法は一つではありません。
美容施術で整えることも選択肢のひとつです。
けれど、忘れてはいけないのが「顔の土台は表情筋」であるということ。
どんなに外側を整えても、筋肉の使い方の癖がそのままでは、時間が経つとまた同じ状態に戻ってしまうことも多いのです。

根本から変えるには、顔の構造を理解し、表情筋を正しく使えるようになることが欠かせません。
そして何よりも 「自分の顔を自分の力で変えられた」という経験こそが、最大の自信になります。

たとえ疲れて顔がくすんでしまった日があっても、写真写りが悪くて落ち込む瞬間があっても、「私ならまた整えられる」という確かな実感があれば、そのたびに前を向けるようになります。

顔が変わると、心も変わる

顔は“自分そのもの”を映す鏡です。

顔が理想に近づくと、不思議なことに心も軽くなります。

長年うつむきがちだった人が笑顔を取り戻し、口角を上げることで声のトーンや言葉までも優しく変わっていく――そんな変化を何度も見てきました。

「自分の顔が好きになれた」と言えるようになると、人間関係も、仕事も、自信も、少しずつ良い方向に動き出します。

嫌いだった顔も、見方を変えれば「可能性のかたまり」なんです

「自分の顔が嫌い」という気持ちは、決して悪いものではありません。
それはあなたが“もっと良くなりたい”と願っている証拠。
自分を大切に思う気持ちがあるからこそ、その感情が生まれるのです。

顔は自力で変えられます。
筋肉を知り、正しく動かし、コツコツ続けることで、 “嫌いな顔”は“自分らしい顔”へと確実に変わっていきます。

MYメソッドアカデミー

もしあなたが「自分の顔が嫌い」「どこをどう直したらいいのかわからない」と感じているなら、私たちの顔の学校「MYメソッドアカデミー」で一緒に学んでみませんか。

顔の構造・筋肉・姿勢――それぞれを丁寧に見極めながら、あなたの“顔の使い方の癖”に合わせた最適なトレーニングをご紹介します。

「ここが嫌い」と思っていた部分も、正しい知識と練習で必ず変えていくことができます。あなたの顔が、あなたらしい自信と笑顔で満たされますように。
その第一歩を、「顔の学校」で一緒に踏み出しましょう。

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