間々田 佳子

年齢を重ねると気になってくるお悩みの代表格が「ほうれい線」。
鏡を見たとき、ふと「あれ、こんなに線が深かったっけ?」と感じたことはありませんか?

でもご安心ください。実はこのほうれい線、年齢のせいだけではないんです。顔の筋肉、いわゆる「表情筋」をしっかり動かしてあげることで、今からでも十分に改善が可能です。

今回は表情筋研究家の視点から、「ほうれい線ってそもそも何?」「どうしてできるの?」「どうすれば目立たなくなるの?」という疑問にお答えしていきたいと思います。

そもそも「ほうれい線」って何?

ほうれい線とは、鼻の両脇から口角に向かって伸びる2本の線のこと。医学的には「鼻唇溝(びしんこう)」と呼ばれています。実は誰にでもある構造なのですが、年齢とともにその線が深く、くっきりしてくるため、「老けた印象」を与えてしまうのです。

メイクをしてもなかなか隠れず、写真を撮ったときに気になってしまう……という方も多いのではないでしょうか。

ほうれい線ができる原因は?

「ほうれい線=年齢のせい」と思いがちですが、実はさまざまな要因が重なってできています。ひとつずつ丁寧に見ていきましょう。

1. 加齢による肌の弾力低下(コラーゲン・エラスチンの減少)

年齢を重ねると、肌の内側にある「コラーゲン」や「エラスチン」といったハリを支える成分が徐々に減少します。これらが減ると、肌は弾力を失い、重力に逆らえずに下へ下へとたるんでいきます。

頬がたるむと、もともと存在していた「ほうれい線のライン」が深くなり、目立ちやすくなるのです。これは、いわば「土台(肌の内側)のゆるみ」が引き起こす変化です。

2. 肌の乾燥による小ジワの蓄積

肌が乾燥していると、皮膚のキメが乱れ、ハリが失われます。すると、ちょっとした表情の動きでできた「折りジワ」が戻りにくくなり、それが繰り返されることでだんだん深い線へと変化していきます。

特に、口元は乾燥しやすい部位。エアコンの風、紫外線、マスクとの摩擦など、乾燥の原因が多い部分でもあります。しっかりと保湿ケアを行うことも大切です。

3. 姿勢や生活習慣の乱れ

実は「姿勢」もほうれい線に大きく関係しています。猫背やうつむき姿勢が長時間続くと、顔全体が下に引っ張られ、たるみやすくなります。

また、睡眠不足・栄養バランスの偏り・ストレスなども肌の再生力を低下させ、老化を早める原因になります。顔の筋肉だけでなく、日々の生活スタイルの見直しも、美しいフェイスラインの維持には不可欠です。

4. 顔の使い方のクセ・偏り

ほうれい線が目立ってくる原因のひとつに、「顔の筋肉の使い方が偏っていること」があります。私たちは普段の生活の中で、無意識に片側ばかりの筋肉を使ってしまっていることがよくあります。

例えば、こんな習慣に心当たりはないでしょうか?

  • 食事のとき、いつも決まった側の歯で噛んでいる話すときに口を左右どちらかだけで動かしている
  • 笑うとき、片方だけ口角が上がるクセがある
  • 頬杖をつく、片側でスマホを挟むなど、顔を左右非対称に使う習慣がある
  • うつむきがちの姿勢が続いている

これらのクセが積み重なると、顔の筋肉のバランスが崩れ、片側だけたるみやすくなることがあります。すると、ほうれい線が左右で深さに差が出たり、顔のラインが歪んで見えたりする原因になります。

また、筋肉を使わない部分はどんどん衰えてしまいます。頬の筋肉がしっかり動いていないと、皮膚や脂肪を支えきれずに下がってしまい、たるみやほうれい線がより目立つようになります。

顔も体と同じように、「よく動かす部分は引き締まり、動かさない部分はゆるむ」という特性があります。表情がいつも片側だけに偏っていないか、左右バランスよく動かせているか、ときどき鏡でチェックしてみるのもおすすめです。

5. 表情筋の衰え・運動不足

私たちの顔には、左右合わせて約50もの筋肉があり、これらは総称して「表情筋」と呼ばれます。目を見開く、笑う、しゃべるといった日常的な動作は、この表情筋の働きによって成り立っています。

ところがこの表情筋、実はふだんの生活ではほんの一部しか使われていないことが多いのです。しかも、顔の筋肉も体の筋肉と同じで、使わなければどんどん衰えてしまう性質があります。

運動不足で脚の筋力が弱くなれば、立ったり歩いたりがつらくなるのと同じように、顔の筋肉も動かさないまま放っておくと、筋力が低下して皮膚や脂肪を支えられなくなり、たるみやシワが現れやすくなります。

そして重要なのは、ほうれい線の予防や改善のためには、特定の筋肉だけでなく、顔全体の筋肉をバランスよく動かすことが不可欠だということです。

頬や口元の筋肉だけでなく、おでこやこめかみ、あご下、首まわりの筋肉など、顔は広く、複雑な筋肉のネットワークで成り立っています。どこか一部だけを鍛えても、他の筋肉が衰えていれば、土台としてのバランスが崩れ、逆にたるみを招くこともあります。

体と同じように、顔にも「筋トレ」が必要です。日々の表情やちょっとした動作の中に、顔全体の筋肉を意識して動かす習慣を取り入れることが、たるみを防ぎ、ほうれい線の目立たないすっきりとした印象をつくるカギとなります。

ほうれい線は自力で消せる?

結論から言えば、完全に消すことは難しくても、目立たなくすることは可能です。そのカギを握るのが、表情筋のトレーニングと、顔の使い方のバランスを整えることです。

顔の筋肉は、体の筋肉と同じように、「使えば鍛えられ、使わなければ衰える」性質を持っています。頬や口元の筋肉を意識して動かし、左右バランスよく使えるようになると、皮膚の土台が引き締まり、たるみが軽減されていきます。

ほうれい線は、ただの「老化のサイン」ではなく、顔の使い方の積み重ねによって作られる表情の結果とも言えます。だからこそ、表情筋を適切に鍛え、筋肉の使い方のバランスを整えることで、見た目の印象は大きく変えることができます。

実は私自身、昔の写真を見返すと、今よりもほうれい線が目立っていたことに気づきます。
そして、私が主宰する顔の学校「MYメソッドアカデミー」に通ってくださっている生徒さんからも、 「顔を動かす習慣をつけたことで、ほうれい線が薄くなりました」という声をよくいただきます。

表情筋は、特別な道具や長い時間を必要とせず、手軽に取り組める簡単な方法でも十分に鍛えることができます。

今回は、毎日の生活に取り入れやすい、基本的で効果的なトレーニング方法をご紹介します。

継続することで、顔全体の筋肉が活性化し、ほうれい線の目立ちにくい、引き締まった印象へとつながっていきます。

無理なく、楽しく続けられる工夫も大切です。まずは、できることから始めてみましょう。

ほうれい線を改善するトレーニング

フェイスウォーミングアップのやり方

鼻から息を吸い、吐きながら口を「しゅ」の形にすぼめて前に突き出します。
② 
鼻の下をのばして、口を「お」の形にします。
目をぱっちりと開きながら、口を「うぁ」の形で顔全体を外に開きます。
鼻から息を吸い、吐きながら顔全体を緩めます。
⑤ 繰り返し
①〜④を1セットとして、これを3〜5セット行います。

ほうれい線をしっかり伸ばすようなイメージで、顔全体を大きくを動かすのがポイントです

継続して表情筋を動かすことが大切

ここまで繰り返しお伝えしてきたように、ほうれい線ができる原因の多くは、表情筋の運動不足や、顔の使い方のクセにあります。

たとえ一時的にケアをして薄くなったとしても、筋肉の使い方が変わらなければ、また少しずつ元に戻ってしまう可能性もあります。
だからこそ、継続して表情筋を動かし、正しい使い方を身につけることが大切なのです。

トレーニングといっても、難しく考える必要はありません。毎日のちょっとした時間に、少し意識を向けるだけで、顔は確実に応えてくれます。

無理なく、楽しく、コツコツ続けることが、未来の表情を美しく保つ一番の近道です。

MYメソッドアカデミー

そして、「一人ではなかなか続けられない」「やり方が合っているか不安」という方は、ぜひ顔の学校「MYメソッドアカデミー」へいらしてください。

専門的な視点でサポートしながら、一緒に楽しく、確実に変わっていく実感を育んでいきましょう。

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