
写真を見返したときや、鏡に映った自分の顔を見たときに、「左右で目の大きさが違う」「口角の高さがずれている」といった違和感を覚えたことはありませんか?
実はこれ、多くの人が抱えている悩みであり、美容面だけでなく、身体全体のバランスにも関係する重要なサインです。
今回は、表情筋研究家の視点から「顔の左右非対称」が起こる原因と、その対策について詳しく解説していきます。
顔が左右非対称とは?
顔の左右非対称とは、顔の中心線(鼻筋)を境にしたとき、右側と左側でパーツの位置や大きさ、形が異なる状態を指します。代表的な例としては、以下のようなものがあります。

- 目の大きさが左右で違う
- 眉の高さが異なる
- 鼻筋が曲がっている
- 口角の高さに差がある
- 頬の高さや張り感に差がある
多少の左右差は誰にでもあるものですが、これが明らかに目立ってくると、印象にも影響を及ぼします。
顔が左右非対称だと起こること
1. 顔の印象がアンバランスに見える
左右差があると、顔全体の印象がちぐはぐに見え、写真写りが悪くなる原因になります。特に動画や写真など、静止画で見ると非対称さが際立ちやすくなります。
2. 老けて見える
片側の筋肉ばかりが使われると、その部分のたるみが進行しやすくなります。これにより、シワやほうれい線が深くなるなど、老化のサインが強調されてしまうことがあります。
3. 体のゆがみのサインになる
顔の非対称は、実は顔だけの問題ではありません。骨盤の傾きや姿勢のクセなど、体のバランスの乱れが顔に反映されている場合も多いのです。
顔が左右非対称になる主な原因
1. 表情のクセ

私たちは日常生活の中で、無意識に特定の筋肉ばかりを使う表情のクセを繰り返しています。たとえば、写真を撮るときにいつも同じ方向に顔を傾ける、笑うときに片側だけで笑ってしまう、口角の片側だけが動く話し方をしている、など。
こうした動きの偏りが積み重なることで、左右の筋肉に差が生まれていきます。表情筋は、意識して使わないと衰えやすい「皮筋(ひきん)」というタイプの筋肉で、筋肉の使い方そのものが表情の形に直結します。
特に大頬骨筋(頬を引き上げる筋肉)や口輪筋(口の周りの筋肉)などは、左右差が目に見えやすいパーツ。笑顔を作ったときに「口角が左右で高さが違う」と感じる方は、表情のクセが関係している可能性が高いです。
2. 噛みグセ・食べグセ

食事のときに無意識に「いつも同じ側で噛む」クセがある人は少なくありません。これが続くと、咬筋(こうきん)や側頭筋(こめかみの筋肉)に偏った負荷がかかり、片側だけが発達してしまいます。
咬筋や側頭筋は、顔の中でも非常に力が強く、発達するとエラ張りやフェイスラインの非対称を引き起こす要因になります。反対に、使われていない側の筋肉は衰えて、頬が下がって見えることも。
さらに、噛みグセは顎の位置や咬み合わせにも影響し、顔の土台そのものが歪むリスクもあります。これは単に「食べ方の問題」にとどまらず、顔のバランスを根本から崩す原因のひとつといえるでしょう。
3. 姿勢の悪さ

猫背や、片側の肩ばかりにバッグをかける習慣、足を組むクセなど、日常的な姿勢の乱れも顔の左右差に大きな影響を与えます。顔の筋肉は頭蓋骨だけでなく、首や肩、胸、背中の筋肉とも連動しているからです。
たとえば、首が傾いていたり、肩が前に巻き込んでいたりすると、顔の片側にだけ重力がかかりやすくなり、たるみやむくみが生じやすくなります。
また、姿勢が崩れると表情筋にかかるテンション(張力)も非対称になります。これにより、頬や口元、目元などの左右バランスが崩れ、顔全体の印象にも影響してくるのです。
4. 加齢・筋力の低下

表情筋は加齢とともに徐々に衰えていきます。筋力が低下すると、肌を支える力が弱くなり、たるみやシワが目立ちやすくなります。
特に元々のクセ(片側だけで噛む・笑う・話すなど)がある人の場合、使っていない側の筋肉がより早く衰えるため、左右差が一層大きくなってしまうのです。
さらに、年齢とともに皮膚の弾力や脂肪の付き方も変化するため、筋肉のアンバランスがより顕著に現れるようになります。だからこそ、日々のケアや筋肉の使い方を意識することが、年齢を重ねた後の顔の印象に直結してくるのです。
表情筋トレーニングで顔のバランスが整う理由
顔の左右差を“自力で”整える方法として、表情筋トレーニングが有効です。
その理由は以下の通りです:
1. 筋肉の使い方を“再教育”できる
左右差の原因の多くは「無意識のクセ」によるもの。意識して左右均等に筋肉を使うトレーニングをすることで、クセを修正しやすくなります。
2. 動かしにくい側を“目覚めさせる”ことができる
非対称の多くは「使えていない側の筋肉」が原因です。トレーニングでは、普段使えていない側の筋肉を刺激し、動きを取り戻していくことが可能です。
3. 血流とリンパの流れが促進され、顔全体のコンディションが整う
筋肉を動かすことで、血行やリンパの流れが改善され、むくみやくすみの改善にもつながります。これにより、左右差だけでなく顔全体の印象が明るくなります。
4. 骨格バランスのサポートにもつながる
表情筋は、顔の骨格を支える重要な役割を担っています。筋肉が均等に使われることで、顔の骨格バランスも整いやすくなり、結果として非対称の改善が期待できます。
「側頭筋リセットアップ」で左右バランスを整える

顔の左右バランスを整えるのに有効な表情筋トレーニングはたくさんありますが、今回は、簡単にできて即効性の高い「側頭筋リセットアップ」を紹介します。
これは、側頭筋を緩めながら引き上げることで、顔全体の土台を整えるトレーニング。
顔の左右差を感じる方や、片側だけほうれい線が深い、笑顔が歪むといった悩みにも有効です。
側頭筋とは?

側頭筋は、こめかみ部分に位置する大きな筋肉で、頭蓋骨の側面から下あご(下顎骨)にかけて広がっています。
主に「口を閉じる」「咀嚼する」といった動作を担っており、咬筋(こうきん)と連動して使われます。
この筋肉は非常に力が強く、ストレスや噛みしめ、食いしばりのクセがあると硬くなりやすいのが特徴です。そして、顔の左右どちらかに偏って使われることで、筋肉のバランスが崩れ、顔の歪みに影響を与えることがあります。
なぜ側頭筋をほぐすと左右バランスが整うのか?
▼ 顔全体の「引き上げる力」を左右均等にするため
側頭筋は顔を引き上げる“アンカー”のような役割を担っています。こめかみ周辺が緩むことで、頬や口角などを支える筋肉が均等に引き上がるようになり、左右差が目立ちにくくなります。
▼ 顎のズレや咬み合わせの偏りにも関与
側頭筋は下あごの動きにも影響するため、側頭筋の緊張が強いと、顎の位置もずれてしまいます。これは顔の軸のズレを引き起こし、左右非対称を強調する要因になります。
▼ 頭皮や表情筋とのつながりを整える
側頭筋は頭頂部・前頭部・後頭部の筋膜ともつながっており、顔だけでなく頭全体の筋肉の緊張状態を左右します。片側だけ固くなっていると、顔の筋肉の動きもアンバランスに。側頭筋をほぐすことで、連動する表情筋も左右均等に動きやすくなります。
側頭筋リセットアップ
- ① 側頭筋を緩める
- 握り拳を作り、側頭筋を優しく緩めます。

- ② 鼻の下を伸ばす
- 目尻に手のひらを当て、口は「お」の形を作り鼻の下をのばします。

- ③ 手のひらをスライド
- 目尻と鼻の下を引っ張り合うように、手のひらを上にスライドします。

- ④ 繰り返し
- ①〜③を1セットとして、これを3〜5セット行います。
※目尻が下がっている方を、多めに行います。


鏡で自分の顔をじっくり観察!目尻や口角が下がっている方を多めに行いましょう
左右対称の顔は自分でつくれる
顔の左右非対称は、「遺伝だから」「年齢のせいだから」と諦めるものではありません。
日常のクセや姿勢、筋肉の使い方に気づき、表情筋を意識的に整えることで、少しずつバランスを整えていくことができます。
特に、顔は小さな筋肉の集まりで構成されており、意識して動かせば短期間でも変化を感じやすい部位です。表情筋トレーニングを通して、自分の顔の使い方を見直し、左右バランスの整った表情を手に入れていきましょう。
コアフェイストレーニング®︎は、顔の中心軸(コア)を意識しながら左右バランスよく筋肉を動かすことに特化したメソッド。
そのため、顔の左右非対称を整えるためにも非常に効果的です。
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