間々田 佳子

鏡を見たときに「なんだか唇の色が暗い」「リップを塗っても映えない」と感じたことはありませんか?
それは唇のくすみが原因かもしれません。

唇は顔の中でも血色がダイレクトに表れるパーツです。だからこそ少しの変化が全体の印象を左右します。健康的で明るい唇は若々しさや生き生きとした印象を与えますが、くすんだ唇はどうしても疲れたように見えたり、不健康に映ってしまいます。

実は唇のくすみは誰にでも起こり得るものです。体質や一時的なコンディションだけでなく、日常の生活習慣や表情筋の使い方によっても大きく左右されます。だからこそ、ちょっとした意識やケアで改善できる可能性が十分にあるのです。

今回は「唇のくすみとは何か」「なぜ起こるのか」「どんな人がなりやすいのか」、そして「表情筋研究家の視点からできる対策」について詳しく解説していきます。

唇のくすみとは?

「唇のくすみ」とは、唇本来の血色が失われ、暗く沈んだ色味に見える状態を指します。
鮮やかな赤やピンクではなく、紫がかったり茶色っぽく見えたりすることもあります。

唇は皮膚が非常に薄く、角質層もほとんどないため、下に流れる毛細血管の色が直接透けて見えます。健康で血流がよいときは赤みが鮮やかに見えますが、血流が悪化したり、酸素が十分に行き渡らなかったりすると、唇の色はすぐに暗く沈んでしまいます。

つまり、唇の色は「血流状態の鏡」と言えるのです。

なぜ唇がくすむのか?

唇のくすみの背景には、いくつかの原因があります。

1. 血行不良

もっとも大きな要因は血行不良です。唇は血管が密集しているため、血流が滞るとすぐに色味が暗くなります。冷え性の方や、長時間同じ姿勢をとる習慣のある方は特に血流が悪くなりやすい傾向があります。

2. 乾燥

唇は皮脂腺や汗腺がないため乾燥に弱く、ダメージを受けやすい部分です。乾燥によって角質が厚くなると透明感が失われ、くすんで見えることがあります。

3. 紫外線によるダメージ

紫外線は唇のメラニン色素を増やし、茶色っぽいくすみの原因になります。肌と同じように唇も紫外線対策が必要です。

4. 加齢による変化

年齢を重ねると血流が滞りやすくなり、さらに口周りの筋肉が衰えて循環機能も低下します。その結果、唇の色が暗くなっていきます。

5. 表情筋の衰え

唇の色には「口輪筋」という表情筋が大きく関わっています。口輪筋が硬直したり衰えたりすると血流が悪化し、唇の色が沈みがちに。さらに、口元の動きが小さくなることで、血液や酸素が十分に行き渡らなくなり、くすみが定着してしまうのです。

唇がくすみやすい人の特徴

唇のくすみは誰にでも起こり得ますが、特に以下のような生活習慣や体質を持つ人に多く見られます。

1. 冷え性の人

全身の血流が滞りやすいため、唇も暗く見えやすくなります。

2. 喫煙習慣がある人

タバコの成分が血管を収縮させ、慢性的に血流を悪化させます。その結果、唇が紫色に近い暗い色調になります。

3. カフェインやアルコールを多く摂る人

利尿作用で体が乾燥しやすく、唇の水分も失われやすくなります。

4. 紫外線対策をしていない人

UVケアをしていないと、紫外線ダメージで色素沈着し、くすみの原因になります。

5. 表情が少ない人

笑顔が少なく口周りをあまり動かさない人は、口輪筋が硬直して血流が滞り、唇の色が沈みがちになります。

唇のくすみ対策

唇のくすみを改善するには、外側からのケアと内側からのケア、どちらも必要です。

1. 外側からのケア

  • 保湿リップクリームで乾燥を防ぐ
  • UVカットリップで紫外線対策をする
  • スクラブやピーリングで古い角質をオフする

2. 内側からのケア

  • バランスのよい食事(特に鉄分・ビタミンB群・ビタミンC)
  • 水分をしっかりとる
  • 規則正しい睡眠で血流を整える

3. 表情筋からのケア

  • ここで重要なのが口輪筋の働きです。

口輪筋と唇の色の関係

口輪筋とは、口の周りをぐるりと取り囲むドーナツ状の筋肉です。
「閉じる」「すぼめる」「突き出す」「開く」といった唇のあらゆる動きに関わっており、発音や表情の表現にも欠かせない存在です。例えば「う」の口をつくるときには口輪筋が収縮し、「あ」の口をつくるときには伸び広がる、といったように日常の何気ない動作に常に働いています。

解剖学的に見ると、口輪筋は皮膚のすぐ下に位置しており、その内側には毛細血管が豊富に走っています。そのため、口輪筋の柔軟性や働きの良し悪しは、血液の巡りや酸素供給の効率と直結し、そのまま唇の色に反映されます。


・口輪筋が衰えると → 動きが小さくなり、血流が滞って唇が暗く見える
・口輪筋が硬直すると → 筋肉がこわばり、血液や酸素が十分に行き渡らず透明感が失われる

一方で、口輪筋をしなやかに保ち、適度に刺激して血流を促すことで、唇はふっくらとした厚みを取り戻し、自然に明るく健康的な色合いへと変わっていきます。

つまり、唇のくすみは単に外側の皮膚の問題ではなく、そのすぐ下にある筋肉=口輪筋の状態を映し出しているサインとも言えるのです。

自分の力で改善できるという選択肢

近年は唇の色味を整える美容医療やコスメも数多くあります。もちろん、それらを活用するのも一つの方法です。
しかし、口輪筋に目を向けると「唇は自分の力で改善できる」ことが分かります。

美容医療で一時的に色や厚みを整えても、口輪筋が衰えたままでは元に戻りやすくなります。
一方で、口輪筋を鍛え、柔軟性を取り戻すことで、内側から血流を改善し、自然な血色やふっくら感を育てることが可能です。

つまり、唇のくすみは「施術で与える美」ではなく、「日常の使い方とトレーニングで育てる美」によっても十分に変えていけるのです。

「唇 in&out」で健康的な唇に

① 唇 in
唇を内側に巻き込みます。
② 唇 out
唇を勢いよく押し出し、外側に開きます。
③ 5回繰り返す
①〜②を5回繰り返します。
④ 3セット
③を1セットとして、これを3〜5セット行います。

この動きで口輪筋に弾力と柔軟性が生まれ、血流が促進されます。継続することで唇の色が自然に明るくなり、乾燥や縦じわの予防にも効果的です。

ポイントは、上唇をめくり上げるように広げること。頑張りすぎてあごや鼻周りに余計な力が入らないよう注意し、口輪筋そのものをしっかり動かす意識を持ちましょう。

あなたの唇は、自分の力で明るさを取り戻せる

唇のくすみは、決して「年齢だから」「体質だから」と諦めるものではありません。
その背景には、血流の滞りや乾燥、紫外線の影響、そして口輪筋の衰えなど、日常の小さな積み重ねが関わっています。だからこそ、生活習慣を見直し、口輪筋をしなやかに働かせることで、唇の色は誰でも改善していけるのです。

トレーニングを続けていると、口紅をつけるのを忘れるほどの唇になりますよ!

保湿やUVケアといった外側からのアプローチに加えて、表情筋を整える内側からのアプローチを続けることで、唇はふっくらとした厚みを取り戻し、自然な血色と透明感がよみがえります。これは美容医療やコスメに頼るだけでは得られない、あなた自身の筋肉と血流が生み出す“内側からの美しさ”です。

そして何より大切なのは、「自分の唇を大切に扱う」という意識です。小さなセルフケアを積み重ねることで、顔の印象も、気持ちの明るさも大きく変わっていきます。

あなたの唇は、今日からでも育てていけます。ふっくらと健康的な口元が生まれることで、笑顔はさらに魅力的になり、表情全体に自信が宿ります。

MYメソッドアカデミー

顔の学校「MYメソッドアカデミー」では、こうした口輪筋をはじめとする表情筋の正しい使い方や、日常に取り入れやすいケア法を丁寧にお伝えしています。グループレッスン、プライベートレッスン、オンラインなどさまざまな形式があるので、自分に合ったスタイルで学びながら、唇も表情も理想に近づけていきましょう。

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