間々田 佳子

「なぜか強く言われやすい」
「同じことを言っているのに、あの人の意見は通るのに自分は流される」
「後輩なのにタメ口で来られる」
「優しいつもりなのに、軽く扱われる」

こうした経験が重なると、「私はなめられやすいタイプなんだ」と思い込んでしまう人は少なくありません。

でも、本当にそれは“性格”の問題でしょうか。

私は表情筋研究家として、顔の筋肉と印象の関係を長年研究してきました。その中で強く感じているのは、「なめられやすさ」は気質ではなく、“身体の使い方”によってつくられている場合がとても多い、ということです。

人は言葉より先に、姿勢・目・重心の位置を見ています。
そしてそれらは、筋肉の状態で決まります。

今回は「なめられやすい」と感じてしまう理由を、姿勢と上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)という2つの視点に注目して掘り下げていきます。

なめられやすい人の身体の共通点

なめられやすいと言われる人の多くに見られるのが、

  • 猫背で頭が前に出ている
  • 視線が不安定
  • 目の開きが弱い
  • 体の軸が揺れている

という状態です。

猫背になると、胸が閉じ、呼吸が浅くなります。呼吸が浅いと声は弱くなり、語尾が消えやすくなります。さらに頭が前に出ると、顔は下向きになります。するとまぶたがかぶさり、目の開きが弱くなります。

目が半分閉じている人と、黒目がしっかり見えている人。
どちらが「芯がある」と感じるでしょうか。印象は、ほんの数秒で判断されます。そしてその材料は、筋肉の状態です。

コアフェイスとは「軸のある姿勢」

私が提唱している「コアフェイス」は、顔だけでなく体の軸から整える考え方です。

コアフェイスの作り方

① 骨盤ポジション
骨盤を立て、左右の坐骨を椅子に押し当てます。
② 背骨の意識
背骨を1つ1つ積み木のように立てながら、その上に頭蓋骨(頭)を乗せていきます。
③ 頭の位置
額とあごは床に対して90度です。首の後ろをのばし、頭を高い位置に引き上げます。
④ 呼吸
意識的に呼吸を繰り返しながら、顔、体、心のあらゆる緊張を外し、コアフェイスを細く長くしていきます。
⑤ さらにランクアップ!
余裕があれば、息を強く吐く時に腹圧をかけ、下腹部を絞り上げるようなイメージで行います。

この姿勢がとれるようになると、自然と背筋が伸びます。多くの人は、胸を張ろうとして腰を反らせてしまいます。でもそれでは軸は安定しません。

下腹を引き上げることで、体幹が安定します。体幹が安定すると、首の位置が整い、顔の角度が変わります。すると目の開き方まで変わってくるのです。

コアフェイスが整った生徒さんからは、

ぽっこりお腹が目立たなくなった

便秘が改善した

姿勢を意識するだけで体が軽い

という声も多く届きます。

さらに印象的だったのは、

酔っ払っても姿勢の軸がぶれなくなりました

という声。

お酒が入ると、人は重心が不安定になります。けれども軸が整っている人は、大きく崩れません。どんな場面でも軸がぶれない。それは、身体だけでなく“在り方”にもつながります。

なめられにくい人とは、声が大きい人ではありません。軸が安定している人です。

目力を左右する上眼瞼挙筋の働き

上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)は、まぶたを持ち上げる筋肉です。
眼球の奥、視神経の近くから始まり、上まぶたに付着しています。

この筋肉が収縮すると、上まぶたが静かに引き上がり、黒目がしっかり見える状態になります。
本来、目はこの上眼瞼挙筋によって開くのが理想です。ところが、多くの人は目を開けるときに前頭筋、つまりおでこの筋肉を使っています。

ここで一度、試してみてください。

何も考えずに、思いきり目を見開いて鏡を見てみてください。
おでこにシワが入っていませんか?
眉毛が上がっていませんか?

それは、目の開き方が“間違っている証拠”です。

前頭筋で無理にまぶたを引き上げると、額に横ジワが入り、力んだ表情になります。一見、目が大きく開いているように見えても、実際は緊張した目なのです。

この状態が習慣になると、

  • 額のシワが定着する
  • 目が疲れやすくなる
  • 夕方になるとまぶたが落ちてくる
  • 視線が不安定になる

といった問題が起こります。

一方で、上眼瞼挙筋がきちんと働いていると、おでこは動きません。額はなめらかなまま、黒目がすっと現れます。この“静かな目の開き方”ができると、視線が安定し、印象に芯が生まれます。

なめられやすいと感じる人の多くは、目の開き方が弱いか、逆に力みすぎています。
目力は「強く見開くこと」ではありません。正しい筋肉で、静かに安定して開くことです。

目の使い方が変わると、視線が変わります。視線が変わると、扱われ方が変わります。

アイトレで目力アップ

では、どうすれば上眼瞼挙筋を正しく使えるようになるのでしょうか。

そこで取り入れてほしいのが「アイトレ」です。

アイトレは、眉やおでこを動かさずに、まぶたの奥の筋肉——上眼瞼挙筋だけで目を開くトレーニングです。

① 目を大きく開く
あごを引き、首の後ろを天井にのばします。
額に手のひらを当て、鼻から息を吸い、吐きながら目を大きく開きます。目から息を出すイメージで、息を吐き切ります。
②  目をリラックス
息を吸うタイミングで瞬きをしながら目をリラックスさせます。①②を3回繰り返し、最後に目をギュッと閉じて軽く開きます。
③  セット繰り返し
①②を1セットとして、これを1〜3セット行います。

最初は難しいと感じるかもしれません。
多くの人は無意識に前頭筋を使うクセがついているからです。

もし額にシワが入ったら、それはまだおでこに頼っているサイン。
力で開こうとせず、「まぶたの奥をそっと引き上げる」感覚を探してみてください。

正しく上眼瞼挙筋が働き始めると、

  • 目がクリアに見える
  • 視線がぶれにくくなる
  • 眠そうな印象が消える
  • “ちゃんと聞いている人”に見える

といった変化が起こります。

「目力=大きく見開いた目」ではない

目力とは、無理に目を見開くことではありません。安定して開いた目が、誠実さと落ち着きを伝えます。
大きく見せようと力むほど、目は緊張します。緊張した目は、どこか不安定に見えます。

けれども、上眼瞼挙筋で静かに持ち上がったまぶたは、おでこに頼らず、余計な力みもありません。
その目は、強く主張しなくても、自然に意思を伝えます。

なめられやすいと感じている人の多くは、目が弱いか、逆に力みすぎています。
目力は「強さ」ではなく「安定」です。

安定して開いた目は、言葉より先に、
「この人は落ち着いている」
「ちゃんと向き合ってくれている」

という印象を届けます。

視線が整うと、扱われ方が変わります。

なめられやすさは卒業できる

なめられたくないからといって、偉そうに振る舞ったり、怒ったりする必要はありません。無理に強く見せようとすればするほど、どこか不自然になり、自分自身も疲れてしまいます。

そもそも「私はそういうキャラだから」「昔からなめられやすいタイプだから」と、自分で自分を押さえ込んでしまっている人も少なくありません。けれどもそれは、本来の自分の本質ではなく、長年の姿勢や表情のクセがつくり出してきた“印象の習慣”に過ぎないのです。

大切なのは、性格を変えようとすることではありません。
変えるべきは、筋肉の使い方です。

変えるのは性格ではなく、体の使い方。トレーニングすれば、誰でも変わります!

なめられやすさは気質の問題ではなく、姿勢や目の開き方といった身体の使い方が影響していることが多いのです。だからこそ、まずは筋トレとして軸を整えるところから始めればいいのです。

下腹を引き上げ、顔体の軸を意識して立つ。
コアフェイスを意識して姿勢を整える。

それだけで体幹が安定し、首の位置が整い、顔の角度が変わります。体の軸が整うと、不思議なことに“自分の軸”も整っていきます。揺れにくい姿勢は、揺れにくい在り方へとつながっていくのです。

実際に、生徒さんからは「同じ服を着ているのに印象が変わった」「便秘が改善した」という声も多く届いています。姿勢が整うことで内臓の位置が安定し、呼吸が深まり、全身の巡りがよくなるからです。身体が整うと、見え方も、感じ方も変わります。

そして何より、整った姿勢と安定した目は、「落ち着き」と「誠実さ」を自然に伝えます。声を荒げなくても、強く出なくても、扱われ方が変わっていくのです。

なめられやすさは卒業できます。

それは“怖い人”になることではありません。 “偉そうな人”になることでもありません。

整った人になることです。

性格を無理に変えなくていい。
まずは身体から。まずは筋肉から。

軸が整えば、自分でも気づかなかった魅力や自信が、静かに引き出されていきます。
整えれば、伝わり方は必ず変わります。

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