間々田 佳子

写真を見て、「なんとなく左右のバランスが違う」「片方の頬だけ下がって見える」と感じたことはありませんか?

実は、こうした“顔の歪み”は誰にでも起こりうる自然な現象です。
しかし、その原因を「生まれつき」や「年齢のせい」と思い込んでしまうと、改善できるチャンスを逃してしまいます。

表情筋研究家の視点から見ると、顔の歪みとは単に「左右の形が違う」というだけではありません。
筋肉や骨格、姿勢、そして日々の表情のクセが複雑に影響し合い、顔全体のバランスが崩れている状態を指します。

間々田式顔筋トレ「コアフェイストレーニング®」では、顔の歪みは“顔の中だけ”で起きるものではなく、体の歪みと密接に関係していると考えます。
つまり、顔を整えるためには、まず“体という土台”を整えることが欠かせないのです。

顔の歪みとはどんな状態?

顔の歪みとは、左右のバランスの崩れだけでなく、筋肉のねじれ・皮膚の引きつれ・姿勢からくる重心のズレなどを含む“全体的なゆがみ”のこと。

顔の歪み例

  • フェイスラインが片側だけもたついて見える
  • 鼻筋や口元が中心からずれている
  • 片側の頬が下がって見える
  • 笑うときに左右の口角が非対称
  • 顔全体が前に出ている、または傾いている

これらは、見た目の問題にとどまらず、血流の滞り・たるみ・くすみ・噛み合わせの悪化など、さまざまな不調を引き起こすことにもつながります。

顔の歪みはなぜ起こるのか?

間々田式の視点では、顔の歪みは「顔単体の問題」ではありません。
体の歪み——特に骨盤の傾きや姿勢の崩れ——が発端となり、それが連鎖的に顔へ影響していきます。

1.  土台である「骨盤」の歪み

骨盤が前後や左右に傾くと、背骨がねじれ、肩の高さが変わります。
それに伴い、首の筋肉の使い方が偏り、顔を支えるバランスが崩れます。
例えば、右肩が下がっている人は、無意識に首を左に傾けてバランスを取ろうとするため、顔全体が左上がり・右下がりのように見えることがあります。


2. 日常動作のクセ

頬杖、片噛み、スマホを同じ方向で見る、足を組む……。
こうした習慣も顔の歪みをつくる代表的な要因です。
例えば片噛みが続くと、使っている側の咬筋や側頭筋が発達し、反対側が下がって見えるようになります。

3. 表情の偏り

表情筋の使い方も大きな原因の一つです。
笑うときに「片方の口角だけ動く」「眉を上げるクセがある」「まぶたを片方だけ強く閉じる」など、
一方の筋肉だけに負荷をかけ続けることで、筋肉の厚みや収縮力に差が生まれます。

顔の筋肉は皮膚に直接ついているため、こうした微妙な筋バランスの違いが、
やがて「歪み」として表面に現れるのです。

4. 体のバランス崩れ

顔と体は一体です。
猫背や巻き肩の姿勢が続くと、首の前側の筋肉(広頚筋や胸鎖乳突筋)が短縮し、顔が前に突き出るようになります。
その状態では重心がズレ、頬や口周りの筋肉が下方向に引っ張られていきます。
つまり、体のバランスが崩れると、顔も引きずられるように歪むのです。

顔の歪みチェックリスト

次の中で、あなたはいくつ当てはまりますか?
3つ以上当てはまる方は、すでに顔の歪みが進行しているサインかもしれません。

顔の歪みチェックリスト

  1. いつも同じ側で噛むクセがある
  2. 頬杖をつくことが多い
  3. スマホを下を向いたまま長時間見ている
  4. 写真を撮ると、顔の向きがいつも同じ
  5. メガネやマスクが左右どちらかに傾きやすい
  6. 片方の口角が上がりやすい
  7. 眉毛の高さが左右で違う
  8. 足を組むのが癖になっている
  9. 肩こり・首こりが片側に出やすい
  10. 鏡を見ると、フェイスラインが左右で違う気がする

こうして見てみると、顔の歪みは特別な現象ではなく、「日常のクセの積み重ね」から誰にでも起こりうるものだとわかります。
無意識のうちに続けている習慣が、筋肉や骨格のバランスを崩し、少しずつ“歪んだ状態”を固定化してしまうのです。

でも裏を返せば、日常を少し見直すだけで整えられるということ。
今日からは、スマホを見る姿勢や噛み方、表情の使い方を少し意識してみることから始めてみましょう。

まずは「姿勢」を整えよう

顔の歪みを整える第一歩は、顔そのものを動かすことではなく、体の軸を立てることです。
骨盤を立て、背骨をまっすぐに、顎を軽く引いて、頭頂部を天井に引っ張られるような感覚を持ちましょう。

ただし、「まっすぐ立っているつもり」が必ずしも正しい姿勢とは限りません。
実際には、反り腰になっていたり、肩が前に出ていたりと、自分では気づかない歪みを抱えている方が多いのです。

一度、鏡の前で全身をチェックしてみたり、誰かに横から写真を撮ってもらうのもおすすめです。
肩の高さ、背中の丸まり、骨盤の傾きなどを確認することで、自分の「まっすぐ」がどの位置なのかを客観的に知ることができます。

姿勢が整うと、顔を支える筋肉――特に首・側頭筋・咬筋といった、 顔と体をつなぐ重要な筋肉が正しい位置に戻ります。
その結果、顔全体のバランスが安定し、歪みが少しずつ解消されていくのです。

コアフェイスの作り方

① 骨盤ポジション
骨盤を立て、左右の坐骨を椅子に押し当てます。
② 背骨の意識
背骨を1つ1つ積み木のように立てながら、その上に頭蓋骨(頭)を乗せていきます。
③ 頭の位置
額とあごは床に対して90度です。首の後ろをのばし、頭を高い位置に引き上げます。
④ 呼吸
意識的に呼吸を繰り返しながら、顔、体、心のあらゆる緊張を外し、コアフェイスを細く長くしていきます。
⑤ さらにランクアップ!
余裕があれば、息を強く吐く時に腹圧をかけ、下腹部を絞り上げるようなイメージで行います。

「側頭筋リセットアップ」で顔の歪みをリセット

次に、側頭筋をほぐして顔の左右バランスを整える「側頭筋リセットアップ」を紹介します。

側頭筋は、こめかみから耳の上にかけて頭部の側面を大きく覆う、扇状に広がった薄い筋肉です。
頭頂部近くの側頭骨から始まり、頬骨の下を通って下顎の骨(下顎枝)につながっています。
実はこの筋肉、咀嚼筋(そしゃくきん)のひとつでもあり、私たちが食べ物を噛むときに下顎を引き上げる重要な働きを担っています。

その面積は意外と広く、手のひらほどの大きさがあり、頭皮のすぐ下で皮膚や筋膜と密接につながっています。

つまり、側頭筋がこわばると、その緊張が頭皮や顔の筋膜を通じて顔全体に伝わり、フェイスラインの引き下げ・頬のたるみ・口角の左右差などを引き起こしてしまうのです。

また、この筋肉は頭の片側ずつ独立して動くため、噛みぐせや姿勢のクセなどで片側ばかりが強く使われると、筋肉の厚みに差が生まれます。
その結果、顔のバランスが崩れ、左右非対称だけでなく、「顔がねじれて見える」ような歪みにつながってしまうのです。

側頭筋リセットアップ

① 側頭筋を緩める
握り拳を作り、側頭筋を優しく緩めます。
② 鼻の下を伸ばす
目尻に手のひらを当て、口は「お」の形を作り鼻の下をのばします。
③ 手のひらをスライド
目尻と鼻の下を引っ張り合うように、手のひらを上にスライドします。
④ 繰り返し
①〜③を1セットとして、これを3〜5セット行います。
※目尻が下がっている方を、多めに行います。

側頭筋をほぐしたあとは、手のひらでこめかみを上方向にリフトするようにゆっくり引き上げます。
始める前に鏡で自分の顔をチェックしてみてください。
もし左右どちらかの目尻が下がっているようなら、そちら側を少し多めに行うと、左右のバランスが整いやすくなります。

顔の歪みは、気づいた瞬間から整い始める

顔の歪みは、体の歪みから始まっています。
姿勢や筋肉のバランスが崩れることで、顔の筋肉にも偏りが生まれ、無意識のうちに“歪んだ表情”をつくり出してしまうのです。

その結果、怒っていないのに「怒っているように見える」、何も考えていないのに「神経質そう」「裏表がありそう」といった印象を与えてしまうことも。
つまり、顔の歪みは見た目だけでなく、コミュニケーションの誤解にもつながる可能性があります。

とはいえ、顔がまったく歪んでいない人はほとんどいません。
誰の顔にも日々の表情や姿勢のクセがあり、多少のバランス差は自然なことです。
大切なのは、それに「気づいているかどうか」。

多くの人は毎日鏡を見ていながら、実は自分の顔の状態を“本当の意味で観察”できていません。
一度、じっくり鏡を見て、自分の顔を観察してみましょう。

鏡を見ることも、立派なトレーニングです!

目尻の高さ、口角の位置、眉の形、フェイスラインの傾き――観察を通して、自分の表情のクセに気づくだけでも、顔は少しずつ変わっていきます。

鏡を見ながら、自分の顔をスケッチしてみるのもおすすめです。
ペンを動かしながら観察すると、「ここが下がっている」「この筋肉が強く働いている」といった自分では気づかなかった動きのパターンが見えてきます。


そして改めて、「どんな表情を人に見せたいか」「どんな印象を持たれたいか」を考えてみてください。
その理想が明確になることで、日常の使い方や姿勢、癖の意識が自然と変わっていきます。

頬杖をやめる、噛みぐせを意識して左右均等にする、姿勢を正す――そんな小さな習慣の積み重ねが、“顔の歪みを整える”第一歩であり、印象を整える近道です。

MYメソッドアカデミー

顔の学校「MYメソッドアカデミー」では、姿勢や筋肉のバランスを整えながら、表情筋の正しい使い方を丁寧に指導しています。
自分では気づきにくいクセや歪みも、プロの目で確認し、正しい動かし方を習得することで、顔は確実に変わっていきます。

体から整え、顔が変わり、表情が伝わる。
その心地よい変化を、ぜひ一緒に体験してみてください。

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