
年齢を重ねると、口元のたるみが気になってしまいますよね。
「年齢によるものだから仕方がない」と諦めてしまっている人もいるかと思います。
しかし、適切なトレーニングを行えば口元のたるみは解消できます。
本記事でトレーニング方法やたるみの原因について解説しますので、ぜひ実践してみてください。
口元のたるみの種類

口元のたるみと一重にいっても、種類は様々です。
- 口角の下がり
- マリオネットライン
- ほうれい線の延長
それぞれのたるみがどのようなものか、以下で解説します。
口角の下がり
口角の下がりは年齢とともに生じる口元のたるみの代表的な症状です。
主に表情筋、特に口角を持ち上げる大頬骨筋と口角挙筋の衰えによって起こります。
筋肉が弱くなると、口角を適切に支えられなくなり、重力に従って下方へ引っ張られてしまうのです。
この状態では、実際の感情に関わらず常に疲れた表情や不機嫌そうな印象を周囲に与えてしまいます。
例えば、何も考えていない無表情の時でも「怒っている」「悲しそう」と誤解されることが多くなります。
マリオネットライン
マリオネットラインは口角から顎にかけて形成される縦溝で、見た目の印象を大きく老化させます。
主に皮膚の弾力性低下と顔の支持組織が重力に負けて下垂することで生じます。
皮膚内のコラーゲンやエラスチンといった弾力繊維が減少し、頬の脂肪が下方へ移動することで、人形(マリオネット)の口元のような溝が深まっていくのです。
特に表情を作ったときや笑顔のとき、この線が目立ちやすく、口周りに老けた印象を与えます。
ほうれい線の延長
ほうれい線の延長は口元のたるみが進行し、鼻唇溝が口角を越えて下方へと伸びた状態を指します。
これは加齢に伴う頬の脂肪組織の減少と皮膚の弾力性低下が主な原因となって生じます。
若い頃は鼻横から口角までだったほうれい線が、年齢とともに頬のボリュームが減少すると支持力を失い、重力の影響でさらに下へと延長されていくのです。
例えば、笑顔を作った際に口の周りに深い溝ができ、それが無表情に戻っても完全に消えず残ってしまう状態が典型的です。
口元のたるみの原因

口元がたるむ原因は、加齢や筋力の低下のほか、生活習慣も関係します。
以下で主な原因を4つ紹介しますので、当てはまるものがある場合は、日々の生活から見直してみましょう。
筋力の低下
口元のたるみは、顔面表情筋である口輪筋の衰えが主な原因となります。
加齢とともに口周辺の筋肉が弱まると、口角を適切に支えられなくなり、重力に従って下方へと引っ張られていくのです。
具体的には、筋肉は皮膚を内側から支える土台の役割を果たしているため、その衰えは肌の張りを失わせる原因となります。
例えば、何も表情をしていない状態でも口角が下がり、常に疲れた表情に見えたり、笑顔を作るのに以前より力が必要になったりします。
加齢
口元のたるみは加齢によるコラーゲンとエラスチンの減少も関係しています。
これらの成分は肌の弾力性とハリを維持する重要な役割を担っていますが、30代から年間約1%ずつ減少し、50代以降でその低下が顕著になります。
加齢プロセスでは皮膚の下層構造にも変化が生じ、脂肪組織や筋膜層(SMAS層)が重力に抗えなくなることで下垂が始まります。
この現象は特に口周りに顕著に現れ、若い頃には上方にあった組織が下方へと移動するため、口角の下がりやほうれい線の形成につながるのです。
さらに、真皮層の保水能力も低下するため、乾燥した肌はより一層しわやたるみが形成されやすくなります。
生活習慣
口元のたるみは不健康な生活習慣によって加速します。
特に不規則な睡眠パターンや慢性的な睡眠不足は、肌の細胞再生サイクル(ターンオーバー)を遅らせ、コラーゲン生成を阻害します。
これにより肌の弾力性が徐々に失われ、口周りの皮膚がたるみやすくなるのです。
また、喫煙は口元たるみの最大の敵と言えます。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させて顔の血流を減少させ、肌細胞への栄養供給が不足します。
さらに喫煙による酸化ストレスはコラーゲンとエラスチンの分解を促進し、肌の老化プロセスを著しく加速させます。
定期的に口をすぼめる動作を繰り返す喫煙行為自体も、口周りに独特のしわを形成する原因となります。
紫外線による影響
長年の紫外線暴露は口元のたるみを引き起こす最も深刻な環境要因です。
これは紫外線が皮膚の奥深くまで到達し、真皮層で活性酸素を発生させることで起こります。
生成された活性酸素はコラーゲン繊維を直接攻撃・分解するだけでなく、新たなコラーゲン生成も阻害するため、肌の弾力性は急速に失われていきます。
例えば、日常的に日焼け止めを塗らずに外出している人は、紫外線防御対策をしっかり行っている人と比較して、口周りのたるみが10年以上早く進行するというデータもあります。
特に口元を含む顔の下半分は上を向いたときや反射光によって予想以上の紫外線を浴びやすく、意識して守らなければ「光老化」と呼ばれる現象が進みます。
長期的な肌の健康と若々しい口元を維持するためには、年間を通じた確実な紫外線対策が不可欠です。
口輪筋ってどんな筋肉?

口輪筋は唇を取り囲む円形の表情筋で、私たちの顔の表情形成と日常動作に不可欠な役割を果たします。
この筋肉は構造的に3つの部分に分かれており、上顎骨あるいは鼻から始まり下顎骨から延びて唇の皮膚に接続する「皮筋(ひきん)」と呼ばれる特殊な筋肉です。
口輪筋は顔面神経によって支配されており、この神経からの指令によって口の開閉や唇の動きが制御されています。
機能的には、唇を前に突き出したり内側に引き込んだりする動きを可能にし、私たちが話す際の発音や食事中に食べ物が漏れないようにする口の閉鎖に重要な役割を果たしています。
例えば、「お」と「う」の発音の違いや、笛を吹く、飲み物を吸うといった動作はすべて口輪筋の緻密なコントロールによって実現しているのです。
口輪筋が衰えるとどうなる?
口輪筋の衰えは口角の下方への下垂を引き起こし、顔全体の印象を大きく変えてしまいます。
この表情筋が弱まると、口の端を適切な位置に保持する力が失われ、重力に従って口角が下がっていくのです。
口輪筋衰弱の最も明確な証拠は「への字口」と呼ばれる状態で、無表情時にも口角が下向きになり、常に不機嫌そうな表情に見えてしまいます。
この状態は単に口元の問題だけにとどまらず、顔の下半分全体のたるみを加速させる連鎖反応を引き起こします。
頬や顎のラインにも影響が波及し、フェイスラインの崩れや二重顎の形成にもつながるのです。
口輪筋の衰えを確認する方法
口輪筋の衰えは「歯茎露出テスト」で簡単に自己診断できます。
このテストは鏡の前で上の歯で下唇を軽く噛みながら、上唇を持ち上げるだけの簡単な方法です。
健康な口輪筋と口角挙筋を持つ人は、このアクションで上の歯茎が十分に露出するはずです。
しかし筋肉が衰えている場合、上唇をいくら持ち上げようとしても歯茎がほとんど見えないか、持ち上げること自体が困難になります。
このテスト結果が思わしくない場合は、口周りの筋肉の衰えが進行しており、ほうれい線や口角の下がりといった口元のたるみリスクが高まっている証拠です。
口元のたるみ(口輪筋)に効くトレーニング方法

口輪筋を鍛えるトレーニング方法を6つ紹介します。
- 口輪筋プッシュ
- 口輪筋プッシュラウンド
- リップトレ
- ウートレスライド
- ぴよぴよアップ
- フェイスウォーミングアップ
それぞれの具体的な方法を解説しますので、ぜひ一つひとつ試してみてください。
口輪筋プッシュ
口輪筋プッシュは口輪筋を直接鍛えてほうれい線を改善できる効果的なエクササイズです。
このトレーニングは加齢による口周りの筋肉低下を防ぎ、表情筋を活性化します。
- 口を閉じたまま、舌先で内側からほうれい線をなぞるように左右に5回動かします。
- 口周りの筋肉を意識的に引き締め、口が開かないよう注意しながら行います。
毎日継続することで口元のハリが復活し、若々しい印象を取り戻せます。
口輪筋プッシュラウンド
口輪筋プッシュラウンドは口輪筋を効果的に鍛え、悩ましいほうれい線を改善する表情筋トレーニングです。
その名の通り、シワをアイロンで伸ばすように舌で内側から押し上げる動作が特徴です。
- 口を固くぎゅっと閉じたまま、舌でほうれい線内側をしっかり押し上げます
- 5秒かけてゆっくり時計回りに1周舌を回します
- 続けて5秒かけて反時計回りに1周舌を回します
毎日続けることで口周りの筋肉が鍛えられ、たるみやほうれい線改善に効果的です。
リップトレ
リップトレは口元の老化を防ぐために口輪筋を効率的に鍛えるシンプルなエクササイズです。
このトレーニングは口元を引き締め、若々しい表情を保つために特に効果的です。
- 唇の左右を中央に向かって内側に寄せます
- そのまま唇を外側に向かって広げ、できるだけ丸く大きな「お」の形にします
トレーニング中は眉間にシワを作らないよう注意し、口輪筋だけを意識して動かすことがポイントです。
毎日続けることで口元のたるみ予防に役立ちます。
ウートレスライド
ウートレスライドは口元と頬のたるみを効果的に改善する表情筋エクササイズです。
年齢とともに口輪筋と頬筋が衰えると、上部の脂肪を支えきれなくなり、いわゆる「ブルドッグ顔」の原因となります。
- 「ウー」と発音するように唇をしっかり前に突き出します
- 口をすぼめたまま右側に動かし、5秒間キープします
- 同じく左側に動かして5秒間キープします
- 左右の動きをスピードアップして10回繰り返します
このトレーニングを毎日続けることで、口周りの筋肉が鍛えられ、たるみの予防・改善に役立ちます。
ぴよぴよアップ
「ぴよぴよアップ」は口輪筋と頬筋を同時に鍛え、顔のゆるみとむくみを解消する効果的なトレーニングです。
ひよこの口をイメージした動きが特徴で、エアプッシュを組み合わせることで全身運動にもなります。
- 両頬を内側に寄せて「ひよこ口」を作ります(頬をしっかり使うのがポイント)
- ひよこ口のまま「ぴよぴよ〜」と言いながら唇を10秒間震わせます
- 「ぴよぴよ〜」と言いながら両手で羽ばたくようなエアプッシュを行います
楽しく続けられるこのエクササイズは、口元の若々しさを保つ効果的な方法です。
腹筋も意識すると全身運動になります。
フェイスウォーミングアップ
「フェイスウォーミングアップ」は顔全体をしっかり動かすことで、顔がスッキリします。
このエクササイズを続けると、顔全体に弾力が生まれ、表情全体が若々しく変化していきます。
- 口をすぼめて「シュー」と息を吐きながら口輪筋を寄せます
- 「オー」と発声し、ほうれい線が消えるように鼻の両サイドを伸ばします
- 「ワー」と言いながら目・口・顔全体を大きく開きます
- 呼吸と動きを連動させ、鼻から息を吸って吐きながら行います
顔がぽかぽかと温かくなるまで3〜5回繰り返すと効果的です。
短時間で実感できるトレーニングです。
顔の筋肉を鍛えて口もとのゆるみを改善

口元のゆるみは、適切なトレーニングをすれば解消・予防できます。
現在たるみが目に見えていない人も、今後のためにトレーニングを行っておきましょう。
顔の学校では、コアフェイストレーニング®を通じて、これらの悩みを改善へ導きます。
レッスン方法は以下の3つです。
- 個別レッスン
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